福岡大学 人文学部 福岡大学 人文学部

英語学科

学科トピックス

2025.03.28

英語学科4年生さららさん留学日記(3)

大好評連載企画「さらら留学日記」の第3弾です。フィンランドのタンペレ大学に留学のさららさんより「留学日記(3)」が届きました!フィンランドの大学事情を詳しく伝えてくれていますよ!さららさん、ありがとう!
-------------------------------------------------------------
こんにちは。フィンランドのタンペレ大学に留学している英語学科の橋本さららです。
前回の日記からかなり間が空いてしまいました…3月のフィンランドはまだまだ寒く、湖も厚い氷で覆われています。ですが、日がだいぶ長くなり、太陽が眩しく輝くようになりました。長く暗い冬を過ごしたせいか、太陽がこんなにも強い光を放てることをすっかり忘れていました。

画像:氷結したナシ湖(NÄSIJÄRVI)

さて、今回はタンペレ大学での授業や学期のシステムについて紹介しようと思います。というのも、先生や知人から留学に興味のある後輩を紹介してもらうことが多く、その際に「フィンランドでの授業はどんな感じですか?」という質問をよく受けます。また、私自身、ほぼ何も準備せずにフィンランドに飛び込んだため、最初はかなり戸惑うことが多かったので、この日記が少しでも参考になれば嬉しいです。
 
 
  • 1. 授業の言語
よく聞かれるのが、「授業は何語で行われていますか?」という質問です。タンペレ大学では、授業の約半分くらいがフィンランド語、約3割が英語、残り2割がその他の言語で提供されています。私は英語で開講されている授業を選んで履修しています。
私が受講していた授業の担当はほとんどがフィンランドの方でしたが、アクセントはそれほど強くなく、ゆっくり話してくださることが多いので、比較的聞き取りやすいと感じます。まあこればっかりは人によりますが。

2,履修登録のシステム
タンペレ大学では「SISU」というオンラインシステムを使って履修登録や成績確認を行います。授業の確認・登録・キャンセルがすべてこのシステム内で完結します。
驚いたのは、最終回の授業の直前まで履修のキャンセルが可能だったことです。これにより、授業についていけないと思ったら簡単に方今転換することができましたし、同じ時間帯の授業をいくつか登録しておき、実際に受けてみて内容や、先生の英語の話し方、クラスの雰囲気を見たうえで選択をすることも出来ました。また、授業には出席できないけど、授業資料だけ享受し続けることもできて、とてもありがたかったです。

3,学期制度
福岡大学では前期と後期の2学期制ですが、タンペレ大学では、4つの「ピリオド(Period)」に分かれています。1つのピリオドが1か月半くらいです。

実際のスケジュールを紹介すると、
・1ピリオド:8月後半~10月初め
・1週間の休暇
・ 2ピリオド:10月中旬~12月初め
  • 約1か月の休暇
  • 3ピリオド:1月初め~2月中旬
  • 1週間の休暇
  • 4ピリオド:3月初め~4月末
といったかんじです。
最後のピリオドが終わると、フィンランドでは長い長い夏の休暇が始まるのですが、私は授業終了後すぐに帰国するため、その休暇を楽しむことができず残念です…

4,授業の時間割
福岡大学では1限目、2限目といった形で90分ごとに授業が区切られていますが、タンペレ大学では授業ごとに開始・終了時間が異なります。授業時間も1時間だったり4時間だったりとさまざまです。

実際の私のスケジュールはこんな感じでした。


他にも、16:00から18:00の授業が2週間毎日実施されることがあったり、月に2回だけ4時間行われる授業があったりして驚きました。毎週予定が異なるので、スケジュールの把握が少し大変でした。

日本と異なる長時間の授業スタイルにびっくりする人も多いかもしれません。私も最初はおびえていましたが、実際には授業が1時間から1時間半ごとに先生が「休憩~」と言って、15分から30分のブレイクを入れてくれるため、思ったほど苦にはなりませんでした。

5,新鮮な授業形式
タンペレ大学には、日本ではあまり見かけない形式の授業も多くありました。例えば、インディペンデント・スタディと呼ばれる授業では、対面授業は一切なく、学生が自分で資料や文献を自分で読み込み、レポートにまとめます。これはかなり一般的なものらしく、多くの授業がこの形式で提供されていましたし、履修している学生も多かったです。
また、ユニークなやり方だなと感じる授業も多く、学生たちがラジオ番組を制作して学内のスタジオから放送するものや、フィンランドの湖畔にあるコテージに2週間泊まり込み、イギリスの湖水地方の文学作品を精読する授業もありました。

6,少人数クラス
驚いたのは、少人数クラスの多さです。福岡大学では数百人規模の授業も珍しくありませんが、タンペレ大学では20人から30人程度のクラスがほとんどです。そのため、人気のある授業は激しい争奪戦になることも多く、思い描いていたプランが打ち砕かれ、失意のあまりただ呆然とSISUを眺め続けたことが何度もありました。
しかしその分、クラスでは先生やクラスメイトとの距離が近く、顔を覚えてもらいやすいです。授業では名前で呼ばれたり、授業外でも挨拶を交わしたりする関係が自然に生まれました。また、少人数だからこそ受けられるサポートも多かったと感じています。例えば、課題のレポートには詳細なアドバイスやものすごい数の朱入れをもらえ、授業後には先生から非常に長文のフィードバックをいただいたこともありました。
 

フィンランドの大学は、シラバスを学外の人々にも閲覧可能な形で公開しています。興味のある方はぜひ、以下のリンクからチェックしてみてください。

https://www.tuni.fi/studentsguide/curriculum/course-units?year=2024

次回の留学日記では、実際に私が受けた授業について紹介したいと思います。すぐに書くつもりです!

それでは~