福岡大学 人文学部 福岡大学 人文学部

東アジア地域言語学科

バラエティ豊かな教員

中国語・韓国語のネイティブや、中国・韓国の現地経験が豊富な教授陣

幅広い専門分野をもつ教員たちのもとで、中国・韓国を多角的に知り、研究することが可能です。また、現地で学び、現地で仕事をし生活してきた経験をもつ教員たちは、中国や韓国に関心のある学生たちにとってのよきメンターでもあります。

INTERVIEW

東アジア地域言語学科 大澤武司 先生

これからゼミを選ぶみなさんへ

東アジア地域言語学科では、3年次から自分の興味・関心にもとづき指導教員を選んでゼミに所属します。そして、より専門的な知識やアカデミック・スキルを身につけながら自分の研究テーマを設定し、教員の指導や仲間との協力を通じて研究を進めます。ゼミには大学での学びのエッセンスがぎっしりと詰まっています。
大澤ゼミでは、中国の近現代史や中国を取り巻く国際関係について、具体的な事件やできごとを素材として、専門的に分析する力を磨きます。最終的には卒業論文の完成を目指し、切磋琢磨しながらそれぞれのペースで自分のテーマに取り組める場を提供できるように心がけています。
特定の地域を研究するときに必要なことは「徹底的に調べる」ことです。自分が学んでいる言語を駆使しながら、集めることができる情報をとにかく徹底的に集めて整理・分析し、そして「自分なりの答え」を出せるようになることが「ゼミの学び」が目指すところです。
「徹底的に調べる」にはさだめられた方法があります。そしてより正しい「自分なり答え」というのは、さだめられた方法にもとづいて集めた情報を、さだめられた手順で整理・分析して導き出す必要があります。ゼミではこの「さだめられた方法」をしっかり学びます。そのノウハウは、みなさんが社会に出た後に直面するさまざまな問題の解決に取り組む際にきっと大きく役立つと思います。

東アジア地域言語学科 尹秀美 先生

――先生ご自身について教えてください

私の専門は社会言語学です。「社会」と「言語」は密接な関係にあり、言語は話し手と聞き手の親密度、年齢、性別など、社会的要因に常に影響されています。言語を分析し、その言語の背後に隠れている社会と文化を探り出すのが社会言語学です。

――先生のゼミではどんなことが学べますか?

私のゼミでは、日本語と韓国語を中心に(対照)社会言語学について学習します。ゼミに入ったら、最初に社会言語学の基礎知識を学んだ後、それをベースにしてゼミ生が興味を持つテーマを見つけ、個人またはチームで研究を行います。
研究は卒業論文やゼミ論として作成されますが、2023年度のゼミ論のテーマには、「化粧品ブランドのオンライン広告文の日韓比較」「日本語と韓国語の呼びかけ表現の違いとその特徴」「K-POPの韓国語版歌詞と日本語版歌詞の比較」「ソウルの地下鉄駅名の日本語表記」「ディズニー映画に見られる役割語の日韓比較」のようなものがありました。論文は『ゼミ論集』として毎年発行されます。

――ゼミの雰囲気はどうですか?

私のゼミには、ゼミ生同士のコミュニケーションを大事にする学生が多いように思います。教室ではプレゼンテーションやディスカッションといった形で、教室の外(ゼミの食事会など)ではカンバセーションといった形で積極的にコミュニケーションをとっています。
 

――福岡大学の東アジア地域言語学科を目指す高校生にメッセージをお願いします

日本の大学において、東アジアの地域や言語を専門的に勉強できるところはそれほど多くありません。このような学科の一員であることを誇らしく思い、いつも感謝しています。今度の4月、皆さんを学科の仲間として迎えることを楽しみにしています。

 

 

ゼミ一覧

中国コース

ゼミ名 ゼミテーマ
伊伏啓子ゼミ 中国語学
文献の講読や語彙調査を通して、漢字語彙の成り立ちやその意味変化について知識を習得し、日中間の文化交流や言語接触について学びを深めていきます。母語である日本語を再考するとともに、さらに高度な中国語を身につけ、ことばに隠された東アジアの交流の歴史をより深く理解することを目指します。
大澤武司ゼミ 中国近現代史・日中関係
近現代中国の歴史・政治・経済・外交を主な関心の対象とし、テキスト・論文・史資料を素材として、近現代中国に関する理解を深めていきます。三年次の前期では具体的な時事問題や事件を素材として、現代中国分析の基礎的な手法を学びます。三年次の後期では、各自が研究テーマを定め、先行研究の調査・収集・整理・分析、研究テーマに関する「前史」の調査・検討・整理・レジュメ化などを通じて、卒業論文執筆に繋がる準備を進めます。四年次生は自らの卒業論文執筆に取り組むと同時に、三年次生のアドバイザーとしての役割を果たします。
何憶鴿ゼミ 中国近現代文学
中国近現代文学・文化を対象としてさまざまな視点から勉強・議論します。テクストの分析や発表、議論の仕方などを学ぶことが目的です。前期は中国文学および文学作品の分析と考察に慣れ親しむことを目標として、中国語短編小説の和訳と中国近現代文学に関する論文や著書の講読を行います。後期は研究発表を中心に行います。参加者は興味のあるテーマに関する資料や先行研究を収集・検討した上で、問いを設定して論じます。
謝平ゼミ 中国語学・中国語教育
「ことばと視点」を基本テーマとして、中国や日本の言語現象、言語事実を取り上げ、いろいろな視点から中国語学の基礎理論を勉強します。発表とディスカッションを通して、中国の言語文化に対する理解を深め、自分の考えを伝える能力を高め、問題解決能力を高めることを目標とします。三年生から卒業論文の指導を始めます。三年次の前期では、文献購読を中心に行い、後期では、論文のテーマに関する資料を調べていただきます。四年次は卒業論文を作成していただきたいと思います。
田村和彦ゼミ 文化人類学
中国の社会現象について理解を深めることを目的とするゼミです。中国社会、文化に関する論文を批判的に読み込み、中国社会や文化がどのように考えられてきたかを検討し、議論していきます。ゼミ生はそれを通して自分の関心のある問題を研究としてどのように扱うことができるかを考えていきます。

韓国コース

ゼミ名 ゼミテーマ
安藤純子ゼミ 日韓関係・日朝関係
「現代韓国・日韓/日朝関係」をテーマに、今起きている出来事について、資料を見たり発表を通して内容を確認し、その出来事が起きた要因、解決方法などについて、皆で議論しています。ジャンルは、外交問題から少子化のような社会問題、芸能人の兵役についてなど、さまざまです。議論を通して、知識を深めるのはもちろん、自分の考えを自分の言葉で的確に相手に伝える練習もします。
緒方義広ゼミ 日韓関係・現代韓国社会・在日コリアン
いまの日韓関係や韓国社会、そして在日コリアンをめぐるさまざまな問題などについて、その社会的・歴史的背景から理解を深めていきます。また、各自の関心に沿ったテーマを設定し、情報の収集・整理、発表、そして議論を行います。世間一般のステレオタイプや偏った一部の報道などに惑わされず、より踏み込んだ韓国理解を追求していきます。
尹秀美ゼミ 社会言語学
日本語と韓国語を中心とした対照社会言語学について学んでいます。1年目は、社会言語学の基礎を身につけるために、教科書を使用しながら議論しています。2年目は、日本語と韓国語を対照研究し、各自テーマを決めて、論文の作成を行います。3年生と4年生がたくさん意見交換しながら、毎回楽しく勉強しています。
柳忠熙ゼミ 韓国朝鮮文学・思想史
「韓国・朝鮮文学と文化を〈自分なり〉に理解して伝える」ことを目指しています。韓国・朝鮮の文学を一緒に読んだり映画を観たりして議論を行いながら文学テキストの分析を学びます。ゼミの最大の目的は伝統文化から大衆文化まで幅広く韓国・朝鮮文学を読む楽しさを感じてもらうことです。

演習(ゼミ)での学びは一生もの
各分野の専門をもつ教員による10のゼミ

中国・韓国コースそれぞれ多様な専門分野の教員たちのもと、議論を中心とした活動を行います。関心分野の近い学生が集まるため、より深い学びの場になると同時に、大学4年間の集大成の場となります。 3、4年生合わせても十数名であるため、アットホームな雰囲気のなかじっくりと学ぶことが可能です。ゼミによっては、合宿や旅行、お花見など、さまざまなイベントを企画しており、真剣な学びと楽しい時間を共有することのできる場となっています。

ゼミ開催イベント

普通の観光とは一味違う海外現地研修

有志の学生たちが希望し訪れた韓国現地研修。普通の観光旅行ではなかなか訪れることのできない場所を見学してきました。韓国では2022年に大統領府が別の場所に移転したため、それまで歴代の大統領が執務を行なってきた青瓦台(チョンワデ)が一般公開されています。担当教員の説明を聞きながら歴代大統領の足跡を辿り、南北分断の最前線であるDMZ(非武装地帯)では、未だに休戦状態にある韓国の現実を目の当たりにするなどしました。また、研修参加者は、福岡KBCラジオと韓国KBSラジオにそれぞれ出演し、現地での体験について報告しました。
  韓国ゼミ研修旅行(2023年度)

教員紹介

名前 専門分野・テーマ
安藤純子
(韓国コース)
日韓・日朝関係
教員データベース
伊伏啓子
(中国コース)
中国語学・東西言語文化交流
教員データベース
大澤武司
(中国コース)
中国近現代史・日中関係
教員データベース
* 個人サイト 大澤武司研究室
緒方義広
(韓国コース)
日韓関係(史)・現代韓国社会
教員データベース
* レギュラー出演ラジオ 韓国 KBS WORLD 日本語放送
何憶鴿
(中国コース)
中国近現代文学
教員データベース(近日更新予定)
謝平
(中国コース)
中国語学・中国語教育学・日中対照言語学
教員データベース
田村和彦
(中国コース)
中国研究
教員データベース
尹秀美
(韓国コース)
社会言語学・日韓対照言語学
教員データベース
柳忠熙
(韓国コース)
韓国朝鮮文学・思想史
教員データベース