福岡大学 人文学部 福岡大学 人文学部

歴史学科

学びのスタイル

高校の「歴史」から大学の「歴史学」へ。

グループワークでの発表の様子
1年次には、教科書中心・インプット中心の高校の「歴史」から、様々なジャンルが学びの対象となり、アウトプット機会が増える大学の「歴史学」への転換を進めます。教員が代わる代わる登壇する「史学概論」では、歴史学の考え方を身に付け、災害史やジェンダー論といった教科書ではあまり触れられないジャンルについても学びます。
「歴史学入門演習」では、3~5人からなるグループでレジュメづくりや発表に取り組み、情報収集・分析・発信の手法を学びます。楽しい仲間と切磋琢磨しつつ協力して取り組むことにより、スムーズなスキルアップと議論の深化が期待されます。

専修を選んで、日本史・西洋史・東洋史・考古学をそれぞれ深ぼり!

考古学方法論で遺構を測量する様子
2年次から4つの専修にわかれ、専門的な学習がスタートします。2年次には専門的な情報収集・分析力を高めるべく、日本史・東洋史・西洋史専修の学生は「原典講読」で文献の読み解き方を学びます。考古学専修の学生は「考古学方法論」で遺物や遺跡の調査法を学びます。
3年次から4年次にかけては専門性の高い講義「特講」を受講し、研究手法を学びつつ、自分の研究テーマをみつけて情報収集・分析・整理を進め、ゼミで発表と議論を繰り返し、研究を深めます。その集大成を、4年次に完成させる卒業論文にまとめていくのです。

コース紹介

日本史専修

古文書の読解方法を学ぶ原典講読
古代・中世史の西谷ゼミ、中世・中近世移行期の山田ゼミ、近世史の梶原ゼミ、近代史の福嶋ゼミの4つで構成されます。研究手法は当時の手紙や日記の文面を読み解き、その時に起こっていたことを復元・評価する、というものです。史料原文から人々の思いや考えを直接読み取っていく作業は、とても興味深い歴史の追体験です。

東洋史専修

中国文献を読解する東洋史原典講読
唐・宋代史が中心の山根ゼミと、明・清代史が中心の則松ゼミで構成されます。どちらのゼミでも、まず中国の編纂史料が読解できるよう能力を養い、そのうえで他の資史料との比較や先行研究の参照について訓練を重ねます。カリキュラムは中国史が中心ですが、朝鮮半島や東南アジアをテーマとする学生も受け入れています。

西洋史専修

西洋史・渡邉ゼミの授業風景
ヨーロッパ中世・近世史中心の渡邉ゼミと、アメリカ史中心の森ゼミで構成されます。ゼミでは重要な研究論文や専門書を欧文で読み解き、研究を深めます。また、過去の出来事といまの世界情勢がどう繋がっているのかを意識しつつ、グループワークとディスカッションを活発に行っており、他専修にはない個性がみられます。

考古学専修

出土遺物の調査方法を学ぶ考古学方法論の授業風景
先史時代から弥生時代が中心の古澤ゼミと、古墳時代から中世考古学が中心の桃崎ゼミで構成されます。考古学は残されたモノ資料から人類史を復元する学問で、遺構や遺物を資料として用いることができるよう、授業では測量や実測も行います。自分で現物資料を調査し、研究を進めていく点に考古学の醍醐味があります。

PICKUP

バスハイクで歴史的出来事の現場を訪ねる!

バスハイクで長崎出島を散策
1年次には「歴史学入門演習」の一環として、歴史的な出来事が起こった現場(史跡)を訪ねたり、博物館で当時の様子を物語る古文書や美術品、考古遺物を観覧するバスハイクを実施しています。訪問先が異なる3つのプランを用意し、それぞれ選んで参加してもらいますが、中にはすべてのプランに参加する猛者も!仲間と史跡をめぐり、展示を観覧する中で、現地を訪れる楽しさと重要性を学びます。

3年次にふたつのゼミを履修する独特のカリキュラム

日本近世・近代ゼミ合同のゼミ旅行
古文と現代文では言葉づかいや文法が異なっているように、同じ地域の歴史であっても時代が異なっていれば、とり扱う史資料の性格や読解方法、研究手法が同じとは限りません。したがって、歴史学科のカリキュラムでは、研究のあり方の多様性を学ぶために、3年次にゼミをふたつ同時に履修することとしています。各専修に複数の教員が配置される本学ならではのカリキュラムです。

考古学専修では現地調査も行います!

フィールドワークを重視する考古学専修では近隣の自治体等と連携し、遺跡の現地調査を行っています。文字どおり歴史を掘り起こしていく作業は考古学の醍醐味。教員や大学院生のアドバイスを受けつつ現場で実践を積み重ねることにより、発掘や測量に関する専門的な知識と技能をしっかりと身に付けていきます。また、発掘された土器や石器といった遺物の整理も重要な作業のひとつです。遺物を分類して図面や記録を作成する作業を通して、実践的な情報収集・整理・分析能力を養っていきます。

学術学会「七隈史学会」に参加して学びを深める

七隈史学会での発表風景

歴史学科には教員・大学院生・学生・卒業生を中心に運営され、市民にも開かれた学術学会「七隈史学会」があります。毎年秋に研究大会が開催され、学界をリードする研究者を招聘しての公開講演と、教員・大学院生・学生・卒業生による研究発表が行われます。最新の研究成果に触れることができ、しかも気軽に参加できる学術学会です。学生にとって、貴重な学びの機会となっています。