福岡大学 人文学部 福岡大学 人文学部

歴史学科

バラエティ豊かな教員

それぞれ異なる時代・地域・ジャンルを専門とする教授陣が、4年間の学びをしっかりとサポートします。

歴史学科には、日本史・東洋史・西洋史・考古学の各専修に複数の教員が在籍しています。それぞれ異なる時代・地域・ジャンルを専門としており、講義やゼミで取り扱われるテーマはじつに多彩。バラエティ豊かな教授陣が、4年間の学びをしっかりとサポートします。

INTERVIEW

日本史教員 山田 貴司

これからゼミを選ぶ学生のみなさんへ

歴史学科では専任教員がそれぞれゼミを持っています。教員が専門とする時代や地域、得意分野はみな違いますから、指導内容や方法は千差万別です。教員のキャラクターやゼミの雰囲気も異なっています。じゃあ、どうやって選んだらいいのでしょう?結局大切なことは、自分がどんな事柄に関心を持っているのか、しっかり見極めることです。「歴史が好きでこの学科に入りました!」という方が多いでしょうから、「私が知りたいコト、調べたいコトってなんだろう?」とよく考え、選択して欲しいと思っています。そうやって選んだゼミに進めば、似たような関心を持ち、切磋琢磨できる仲間や、追究しがいのある楽しい研究テーマに出会うことができるはずです。
歴史学は「過去」を専門とする唯一の学問分野ですが、「いまの世の中、そんなの必要ないゼ」と思っている人もいるでしょう。ただ、私はそうは思いません。「これまで」がわからなければ、「いま」を理解することはできません。「いま」が理解できていなければ、「これから」を考えることなどできるはずもないからです。かかる学問的特質を踏まえつつ、皆さんには、ゼミの時間で専門知識や研究手法を身につけてもらいます。そして、それと同時に課題発見能力や情報を収集・分析する能力、成果を他者に伝え、議論を重ねてブラッシュアップしていく能力を高めます。これらは歴史研究に留まらず、現代社会においても求められる必須の能力。将来きっと役に立つはずです。

西洋史教員 森 丈夫

森ゼミの授業風景

「専修」を選ぶということ

「専修を選ぶ」。昨今のキャリア教育の流行で、その後の人生のために真剣に専修=専門を考えるように言われる。確かにそうだろう。だが高校を卒業して数年の若者に、確固たる人生のヴィジョンなど立てられるだろうか。実際、私の場合、迷いながらいい加減に専門を決めたのである。私の出身大学では、3年生から専攻(専修に近い)が決まるが、私はジャーナリストになろうと社会学を専攻しようと思っていた。しかし、2年生でこのままの大学生活に迷いが生じ、1年間休学し、しばらくアメリカに旅行した。その体験は貴重だったが、私の意思が定まったわけではなかった。そこで3年の進級にあたって、私はアメリカに関わりのある西洋史を専攻することにした。そこでも迷いはあり、将来など考えもつかなかった。
新入生歓迎コンパの様子
だが、4年生で大きなことが起こった。卒論である。そこで研究した黒人奴隷制度の歴史はあまりに面白く、しばらく勉強したくなったのである。そしてどうなるかわからないまま、大学院に進み、勉強を続けるうちに大学の職を得ることになった。
強い意志を持って専修を選択することはベターであろう。でも進路の選択は、そのパターンだけではない。だが確実に言えるのは、どの専修であれ、大きな知的刺激はあるということだ。そして、その刺激の中には人生を左右するものもある――私はあまり幸運だったけれど。そうしたジグザグの道も専修選びの醍醐味なのである。

ゼミ開催イベント

ゼミ旅行で史跡をめぐる!

歴史学科では専修ごとに、あるいはゼミごとに研修旅行が行なわれています。国内外の史跡や博物館を訪れ、現地・現物をこの目でみることで知見を深めます。まさに「百聞は一見にしかず」の実践です。研修旅行を通じて教員や学生同士の親睦もはかります。また、研究報告が中心のゼミ合宿を実施することもあります。

教員紹介

名前 専門分野・テーマ
西谷正浩 「日本中世史、とくに土地所有史・経済史」
日本の中世は、古代につながる古い社会と今日につながる新しい社会が交差した転換期です。現在、私たちは先行きのみえない転換の時代にいます。大転換を生き抜いた中世人の貴重な体験は、現代の私たちにも示唆を与えてくれます。
教員データベース
山田貴司 「日本の中世後期から中近世移行期の政治史・文化史」
室町時代から安土桃山時代までの西国をフィールドに、アジアの諸地域やヨーロッパ勢力との交流も視野に入れつつ、地域権力(戦国大名や国衆)の政治・軍事・文化的動向を研究しています。この時期に特有のダイナミックな史的展開を一緒に解きあかしていきましょう!
教員データベース
梶原良則 「日本近世史、とくに明治維新史」
幕末維新期に力をつけ、やがて幕府を倒して近代国家の建設を行った西南雄藩を中心とした藩政改革(行政・財政・軍事改革や経済政策等)や西洋近代科学技術(近代的銃砲や蒸気軍艦等)の導入、外国の文物・情報を手に入れる窓口となった長崎の研究を行っています。
教員データベース
福嶋寛之 「日本近代史、とくに昭和期の教育と国家」
昭和の戦争と教育の関りについて研究してきました。最近は日本列島の外に視野を広げ、朝鮮・台湾・満州国・ハワイ・アメリカ・ブラジルなど、海外で生まれ育った日本人二世を日本国家がどのように統治しようとしたのかについて研究を進めています。
教員データベース
山根直生 「中国史、とくに唐・五代十国・宋代史」
中国の9~11世紀が専門です。「唐宋変革論」としての議論も多いこの時代を、現地調査の手法、軍事社会史・社会学からの知見を借りてとらえ直そうとしています。直近の研究課題は、宋代に多くの軍人が寄進して建立された河北省定州市開元寺塔の石刻資史料です。
教員データベース
則松彰文 「中国史、とくに清代の社会・経済」
中国清代の研究をしていますが、私はとくに18・19世紀の世界と中国という視角を大事にしています。西欧諸国のうち最もつながりの深い英国と清国の関係史を研究していますが、その際に、中国茶とインドアヘンは不可欠の要素です。これも世界史の醍醐味と言えます。
教員データベース
渡邉裕一 「ヨーロッパ中・近世史、とくに環境史・災害史」
中・近世のヨーロッパ、とくに南ドイツの都市アウクスブルクを対象に、環境史、災害史、疫病史の視点から研究を進めています。災害やペスト流行など危機的な状況に直面した社会の対応に着目し、中・近世ドイツ都市に生きた人々の日常と非日常にアプローチしています。
教員データベース
森丈夫 「初期アメリカ史、とくに先住民とヨーロッパ人の関係」
アメリカ合衆国が独立する前の北米を専門としています。この時代は、一般的にはイギリス人の移民に焦点があたりますが、現在は広い視点から時代像を見直す研究が進んでいます。最近は帝国という広域的な政治体制の動向と先住民ーヨーロッパ人の関係に注目しています。
教員データベース
古澤義久 「考古学、とくに東北アジアの先史文化」
韓国、北朝鮮、中国東北地区、ロシア沿海州といった東北アジアの新石器時代~青銅器時代の文化を研究しています。そして、それらの地域と縄文時代~弥生時代の九州の関係についても研究しています。また、戦国時代~清代の中国貨幣についても研究しています。
教員データベース
桃崎祐輔 「考古学、とくに古墳時代の馬具・騎馬文化、仏教考古学」
古墳時代の馬具や騎馬文化、祭祀や酒造り、古代・中世の仏教考古学、日宋・日元貿易に関係する沈没船に積み込まれた鉄素材や陶磁器などを研究しています。みずから遺跡や遺物、研究テーマを見つけ出し、知的好奇心を追求する学生を求めています。厳しく学問を鍛えるので、一緒に研究しましょう。
教員データベース
大重優花 「考古学、とくに中近世の金工品」
卒業論文がきっかけで鐘を研究しています。普段は除夜の鐘等でしか見る機会はないですが、鐘や刻まれた銘文は歴史を雄弁に語ってくれます。考古学は、モノから人類の過去を研究する学問です。皆さんも夢中になれるモノを見つけて、人類の歴史を明らかにしましょう。
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