福岡大学英語学科ブログ

アメリカ横断(放浪記)3: 廣渡 拓弥君

毛利史生 2012年 11月12日  カテゴリー: 在学生

こんにちは。風が北西よりに変わってきて、冬の訪れが近いことを感じますね。

先日、廣渡君より1か月ぶりに「放浪記(3)」が届きました。「放浪記」ファンのみなさん、ご安心ください。連載は続いております。今回はLA編です。

--------------------------------------------------------------------------------------
「アメリカ横断〔放浪記03〕」


アメリカ西海岸と言えば、ロサンゼルス(※1)。 
そんな気がするのだが、皆はどうだろうか。


カリフォルニア州ロサンゼルス――――。

帰国後、英語科のとある先生と話したことなのだが、ここロサンゼルスは殺気に満ちている。

最初の写真の場所は、僕が宿をとっていた周辺なのだが、一歩外に出るだけでも恐ろしく空気が変わったことを感じた。肌を刺すような視線を感じたり、黒人の少年がいきなりスーパーの棚を殴り始めたりと、おそらく人生で初めて「キョトン」としてしまうような出来事があった。

ロサンゼルスでの日々はそんな不安から始まった。

「とにかく、行動だ。」

そう思っていた僕は、ひょんなことからスイス人と行動を共にすることになった。


「旅は道ずれ、世は情け」とはよく言ったものだ。

そのスイス人の彼は、サンフランシスコのYouth Hostelで同室だった人なのだ。
彼の借りている車で、サンタモニカビーチに行くことになった。なんと、サンフランシスコのYouth Hostelで出会ったオーストリア人女性も一緒に。

天候は最高に良い。
二人が一緒なため、写真の人たちのようにゆっくりするわけにはいかない。サンフランシスコでもそうだが、のんびりとした雰囲気が漂うのは、西海岸特有のものなのだろう。

スイスの彼がとある情報を教えてくれた。

このレストランについて知っているだろうか?

GUMPの表記で少し感づいた人もいるだろうが、映画FORREST GUMP(※2)を題材としたレストランだ。スイスの彼は、この映画が好きだから、とサンフランシスコでもここを写真に収めていた。アメリカ各都市で店舗展開しているので、映画好きの人は訪れてみるのもいいだろう。あるいは、FORREST GUMPそのものが好きであるのならば、このお店を周るためだけにアメリカに行くのも面白いかもしれない。

「サンタモニカビーチ」

僕がロサンゼルスに滞在したのは、2月中旬のことだ。
日本の冬よりは薄着でも大丈夫な気温だが、それでも半袖と言うわけにはいかなかった。
「日本の海と違うか」と聞かれると少し困るのだが、このことについては、後々話すとしよう。

「サンタモニカ・サードストリートプロナムード」

初めて道路にむき出しの本屋を見たのだが、日本にこういった本屋はあるのだろうか。
少なくとも、僕は見たことがない。こういった外で「何か」を楽しむ文化はニューヨークなどではあまり目にしなかったが、西部、中西部、また中部でも多く目にした。ここにも、ゆったりとした雰囲気が漂う西部の特徴が影響しているのだろう。


ロサンゼルスを訪れる人の多くはここに来るのではないだろうか。

「ハリウッド」

「グローマンズ・チャイニーズ・シアター」


ダースベイダーがポーズをとってくれた。
僕は未だに日本でコスプレをしている人にあったことがないのだが、彼らはいわば趣味の範囲でやっているのだろう。しかしながら、アメリカでこういったコスプレをする人々は、彼らの写真を撮る人達にチップを要求するためである。土地が違えば、物事の在りようも違うようだ。

ハリウッドでは地面にサインや足跡、著名人の名前が刻んである。

見にくいだろうが、上の写真はブルース・リーのものだ。
行かれた際は、好きな俳優やアーティストのものを探してみてほしい。


奥に見えるHOLLYWOODの文字は見ることができるだろうか。
海外ドラマで、このHOLLYWOODの看板に座るシーンがあるのだが、さすがにそれは不可能だ。しかしながら、遠目に見るだけでもドラマの感覚を味わうことが出来た。僕はこのショッピングモールから眺めるだけだったが、時間があるのであれば、近くまで行ってみるのもよいだろう。


写真のI love~のTシャツはどこに行っても目にするものの一つだろう。

ハリウッドの後は、オーストリアの彼女と別れ、ベニスビーチに向かうこととなった。


■ところで、スイス人の彼に「どうして英語が話せるの?」と聞いたときの返答が実に面白かったので、載せておこう。

「道を歩いていたら英語が聞こえてくる。そこで覚えた。それに、英語圏も近い。スイスは韓国から遠いが、日本は韓国と近い。だから、日本人は韓国語を覚えるのは早いのではないか。(※3)」

 「面白み」を感じるだろうか?

 日本は韓国と近いから韓国語を覚えるのが早いのではないか、との見解にとても面白みを感じる。確かに、韓国語の文法は日本語の文法とかなり似ている。歴史的に考えると、日本と韓国は陸続きであった。これは、このことと関係があるのだろうか。また、双方の言語がどういった経緯で発達し、どちらの言語の起源(普及)が先なのか。問題提起として掲げた韓国語を覚えるスピードは、やはり日本人のほうが早いのだろうか。

「言語は本当に面白い。」


話を戻そう。
さて、ベニスビーチだ。

日本の海との違いはなんだろうか。
まず、僕の憶測というか、感想でしかないのだが、
乾燥や、大気の違いにより、夕日の映え方が変わるのではないだろうか。ここには昼間も訪れたのだが、夕方のベニスビーチは夕日に映える日本の海とは明らかに違う「何か」を感じていた。
アメリカを横断して数か月たったが、その正体がなんなのか未だに僕には分からない。

この翌日には、また別の場所に足を運んだ。

「ゲッティー・ヴィラ(※4)」

ゲッティ―・ヴィラ館内では、数々の彫刻や、庭園を目にすることができる。古代ギリシャや古代ローマ美術や文化の研究を目的とした教育センターでもあるそうだ。ここはマリブビーチの近くにあるので、一日ゆっくりと過ごすには良い場所なのではないだろうか。

僕が訪れたときは、生憎曇りだった。訪れる際は、ぜひ天候を確認することをお勧めする。


ロサンゼルスの印象としては、サンフランシスコよりもゆったりとしているが、とにかく殺気がすごい。道幅が広く、先が見えないほど道路が長かった。英語に関しても、ここも聞き取りやすく感じた。

ロサンゼルスそのものに関しては、思いの外何もない場所だ。しかしながら、旅行会社では必ず目にする都市である。その一つの理由としては、とにかく交通が面倒という点にあるのではないだろうか。また、僕が挙げた海以外にも、マンハッタンビーチやロングビーチなどいくつか有名なビーチがあるので、「ロサンゼルスビーチ巡り」なども面白いのではないだろうか。

今回の章を書きつつ、改めて「旅は道ずれ」という言葉の意味を考えている。
しかしながら、その言葉の「先にあるもの」を僕は常日頃感じている。

そのことについてはいつかどこかで…。

いや、次章ラスベガス編で書くとしよう。


「更新が遅くなりました。申し訳ないです。次のラスベガス編はグランドキャニオンも含め、少し長くなるかと思います。」

廣渡 拓弥


補足
※1 ロサンゼルスを「ロス」と略すのは日本人のみだ。L.A.(エルエー)か、そのままの地名で呼ぶようにしよう。
※2 FORREST GUMP
  邦題「一期一会」、キャッチコピーは「人生はチョコレートの箱、開けてみるまでは分からない」。
※3 ■スイス、及びEUで普及している言語について
スイスの公用語は、ドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語。スイスに隣接する国としては、モナコにて英語が普及している。EUにおける母国語とする言語は、ドイツ語が一番であり、二番目に英語となっている。また、英語がEU内で最も広く使用されている。なお、2012年現在、EUの公用語とされる言語数は23カ国語、その他使用されている言語を含めると49カ国語、表記として使用されている言語に関してはまた数十カ国語加算される。EU加盟国の市民の56%が、日常会話において母国語以外を使用している。イギリス、アイルランドなど四か国を除くEUの市民の38%は会話をするのに十分な英語能力を持っている。英語を母国語、第二言語、外国語として使用しているEUの市民は51%に上り、次にドイツ語が32%と続く。
少し、僕の目線から話を広げてみる。
僕は第二言語としてフランス語を選択したのだが、フランス語の普及率について知っているだろうか。世界で英語が最も多く話されている言語だが、その次に話されている言語がフランス語である。カナダはフランス語と英語が共通語なので、カナダに留学やワーキングホリデーを考えている人は学んで損はないだろう。また、アフリカ出身の方から聞いた話だが、アフリカ大陸では56の国(2012/10月確認)が存在するのに対し、200もの言語が存在しているそうだ。その中で、英語、フランス語、スロバキア語の順で普及しているとのことだ。最後に、少なくとも二か国語を流暢に話すことのできる人口の割合は、少なくとも世界人口の半分を超えるとされている。(以上Wikipedia, wiseGEEK 参照、及び再編。以下、それぞれのURL)
□欧州連合の言語
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AC%A7%E5%B7%9E%E9%80%A3%E5%90%88%E3%81%AE%E8%A8%80%E8%AA%9E
□How many people in the World Are Bilingual ?
http://www.wisegeek.com/how-many-people-in-the-world-are-bilingual.htm
■韓国語と日本語について。
発音に関しても、同じ発音をする言葉や似通った発音をする言葉が存在する。例えば、「中国」は日本では「チュウゴク」、韓国語では「チュングク(??)」と発音する。今回挙げたのは発音の一例でしかないが、興味のある人はぜひとも分析してほしい。勿論、日本人が韓国語を覚えるスピードに関しても。
※4 THE GETTY VILLA
入場には予約が必要である。また、入場自体は無料だが、駐車場料金がかかる。一部写真撮影禁止の彫刻がある。