福岡大学英語学科ブログ

学会報告とお礼

毛利史生 2013年 3月26日  カテゴリー: 教員

みなさん、こんにちは。

今月の3月8日のことになりますが、無事、東京での学会発表を終えることができましたので、この場にてご報告とお礼をさせていただきます。私事ですので、学科ブログで報告するのもどうかとも思いましたが、学科の先生にブログで報告することを勧めていただきましたし、英語学科の言語系スタッフの一人としての研究活動の紹介という意味も込めて、この場にてご報告させていただきます。

今回は、Tokyo Conference on Psycholinguistics 2013というところで、大学院生のタケダさんとの連名で発表しました。大きな学会での英語でのプレゼンは初めてのことでしたので、今まで感じたことがないプレッシャーを強く感じての発表となりましたい(今までの学会発表では、これほどの緊張感を感じたことはありませんでした)。発表内容は、比較表現の言語間パラメータについてです。

昨年11月末に発表要旨を応募し、1月3日に「受諾」のお知らせをいただきました。実を申しますと、受諾される前から、3月8日のプレゼンを想定して、そこから逆算して準備をしてきました。まずは、昨年11月の日本英語学会30年記念大会で招聘発表された山田先生の英語でのプレゼンを直接見て学び、また昨年インドで国際発表をした(スピーチの達人でもある)福田先生からは、具体的なアドバイスを頂き、自分のなかでのイメージ作りからスタートしました(発表が受諾される前からそんなことをやるのは少し厚かましいのですが..)。

 

また、2月に入って発表まで一月を切った段階で、多くの先生方から助けていただいたのが正直なところです。まずは、私の予行練習に2度も付き合ってくれたTim先生(実は、Timさんには技術的なことだけでなく、精神的にも支えてもらいました)とHowe先生の技術的アドバイスには心から感謝しております。また、2月に行った私たちの研究会、福岡大学言語コロキュアムでは、多田先生とゲストスピーカーの先生のご厚意で急きょ発表の機会を持たせてもらいました。特に、多田先生との議論の中で、自分の仮説を一部修正する必要性があることに気づき、本番直前になって議論の方向性も余儀なく変更することとなりました(多田先生の示唆がなければ、大変なことになっていたかも(感謝!))

3月に入ると、状況が大きく変化しました。実は、本番が近づくにつれて声がおかしくなり、前日にはほとんど声が出ない状態になってしまいました(ストレスでしょうか)。その様な状態での出発です。しかし、いざ東京に向けて発とうとした時、樋渡先生に偶然会い、先生は優しい言葉とともに私を送り出してくれました。おかげでこころなし気持ちが落ちついて東京に向かうことができたのも確かです。また、行きの飛行機では、私の声の異変に気付いたCAの方が、特別な笑顔と優しい言葉を投げかけてくれて、(勘違いな)私は、「明日は案外いけるかも」と道中思うまで気持がポジティブに向かってくのです。

しかし、翌日の当日本番になると、事情は大きく変わりました。前日のポジティブマインドがいつのまに消え去り、ただただ極度の緊張に襲われたのです。私のセッションは午後の部でしたが、午前中はMITのオニール教授の招待講演の予定となっております。 発表会場は慶応義塾大学のホール会場ですが、私の気持ちが小さくなっていたせいか、例年以上にそのホールがすごく大きく感じたのも事実です。さらに、会場には言語学の様々な分野の著名な先生がオーディエンスとして参加されており、オニール教授との熱い議論が交わされました。その議論のレヴェルの高さと雰囲気に撃沈した私は、ランチブレイクの時、茫然と入り口で立ちすくむしかありませんでした。するとそこに、知り合いの横浜国立大の先生が通りかかり、彼と一緒にいた大学院生を紹介されました。実は、その大学院生は、私の次に発表する方(その方も、横浜国立大の別の先生との連名発表です)で、私の名前を聞くや否や、「Comparativesの発表ですよね!」と声をかけてきました。そのComparativesの発音がびっくりするほど(Native Speakerのように)上手く、ただでさえ精神状態が思わしくない私は、駄目押しのドロップキックを浴びせられた思いでした。

午後の2つめのセッションが私たちの出番ですが、最初のセッションの時間は気が気でありませんでした。しかし、気持ちが下降しているさなかの発表直前のブレイクタイムの時に、(予想もしないくらいに)物事が好転し始めたのです。この頃には声もだいぶ回復していたのですが、その声が低めのトーン(英語が発音しやすいトーン)に変わっており、(自分なりに)すごくいい感じの英語が口から出てくるようになっておりました(実際に、方耳を押さえて声をだし、その声に自己満足するほどでした)。また、私の発表は、Beck et al.(2004)とSudo (2009)の仮説を前提として議論を展開する予定でしたが、そのブレイク時にBeck et alの共著者であるOdaさんが発表会場にわざわざ来てくださっているのに気付きました(ちなみに初対面です)。声をかけてみると、ものすごく感じのいい方で、Odaさん曰く、今回の私の主張に関心をもっていること、そしてその主張に関して、先日フランスのパリでSudoさんともお話をしたということでした。(単純な)私は、「(私の主張を)パリで話をした」という響きだけで気持ちが高揚し、その気持ちのまま直後の発表に臨むことができたのです。おかげで、Timさんとやった練習の時と同じような精神状態で行うことができ、質疑応答にもなんとか乗り切ることができました。また、発表会場では学科の久保先生、さらには、広大時代の先生や友人、また研究会で出会った親しい先生に応援されての発表でした。

長くなりましたが、以上、発表までの道のりと、発表当日の報告となります。やはり、学科の先生方に助けられたことが一番大きかったです(感謝の一言です)。また、最終的には、自分の単純な性格が功を奏した気もします。本当に、皆さまありがとうございました。

追伸:
普段であれば、何かを上手く乗り切った後は、また挑戦しようという気持ちになりますが(私はいつもそうです)、今回ばかりは、「しばらくは控えておこう」と思う今日この頃です。


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