カリキュラムと進路
カリキュラム一覧
こんなふうに学びます
履修について
日本語日本文学科の専門科目は、専門別に、大きく日本語系列、日本文学系列、比較文学系列に分かれ、それぞれに科目の性格から必修科目、選択科目、選択必修科目、関連科目といわれるものがあります。
必修科目は日本語日本文学の学習の基礎になる重要な科目ですから、全員が履修しなければなりません。その意味から、一年次から二年次までの科目として置かれ、将来の専門化に備えることになります。一、二年次の必修科目では、まず作品を読むことを楽しみながら作品読解の方法を学び、その基礎的な調査、研究の方法を身につけ、文学や言語の歴史的変遷を理解するところから始めます。
学生はその上に、自分の専門としたい科目や興味を持つ科目を選択科目として選びます。例えば文学が好きで平安時代の文学に関心のある人なら、一年次で日本文学概論を、二年次で漢文学講読を、先の必修科目に加えて履修することになるでしょう。場合によっては、語学系や比較文学系の科目も必要になります。このように、直接は関係なくとも、その補助になりそうな科目を選択して、将来思い描いている自分の研究に役立てることも可能です。
選択必修科目は、みなさんが専門の道を選ぶ時に、その専門に応じて用意された必修科目です。具体的には日本語学、日本文学、比較文学それぞれに該当する概論と調査研究法及び演習という科目がこれにあたります。調査研究法は、三年からの演習にそなえて、それぞれの専門の分野の、基礎的な研究の仕方を学ぶ科目です。
演習はいわゆるゼミで、一〇の演習の中から選んで、三年次に二つ、四年次に一つを必ず履修します。この科目では学生の研究と発表によって行われ、作品や資料を深く読解することを試み、研究の方法と態度を学んでいきます。この延長線上に四年次の卒業論文が書かれます。
四年次には、卒業論文が必修となります。卒業論文は日本語日本文学科が最も大切にしている科目であり、四年間の学生生活の集大成とも言えます。一般に日本語や日本文学、あるいは比較文学という学問は、その対象について、学生が比較的自由に読み、学び、また批判することができ、学生が書いた論文が新しい知見として学問を進めることもまれではありません。四年間で身につけた知識の上で、皆さんが、現在の研究水準と同じ位置に立って自分の研究を展開することができるのです。
この他に、関連科目というものがあります。これは、他学科や他学部に置かれている科目を、関心や専門の必要に応じて履修できるものです。また、教員を志望する学生のための教職課程の科目や日本語教員養成課程の科目もあります。日本語日本文学科では日本語教員養成課程の科目は学科の選択科目として置かれています。
なお、カリキュラムの中に置かれた科目ではありませんが、古い書物や作家の原稿を見たり、文学が生まれた風土を踏査する「訪書旅行」を毎年実施しています。また、学生と教員とが同じ一会員として研究し、批評しあうための小さな学会を持っています。みなさんはこうしたことも積極的に利用して自分をみがいてください。
卒業後〈どこに〉進むか、〈どう〉進むか
就職について
本学科卒業後の就職先として、まずは教職があります。現在は、教職の需要が少なく非常に厳しい状況下にありますが、その中でも本学科では中学校や高等学校の教員として、九州地区だけではなく愛知県や東京都、千葉県など中部地区、関東地区での教員採用試験に合格して活躍している卒業生も少なくありません。日本語教員は近年求人が増えてきており、国内外で日本語を教えている卒業生もいます。かつては教職につく人が多かったのですが、最近では、それ以外の一般企業に就職する人が多くなってきました。出版や放送、書店や図書の流通、あるいは金融機関など、様々な分野の一般企業で就職し、活躍しています。
進学について
卒業後、さらに専門的に学びたい人のために大学院があります。大学院は博士課程で、前期課程と後期課程の二つの課程があります。前期課程は二年間で、専攻に応じて専門の教員の指導を受け、一定の科目を履修した後、修士論文を書いて審査を受けます。卒業論文と同じようなものですが、より高度な達成が求められます。修了者には修士の学位が与えられます。また、学部の卒業生より上位の教職免許が与えられます。後期課程は三年間で、前期課程の修了後に進学します。科目の履修はなく、指導教授の論文指導を受けて博士論文を書きます。審査に合格すれば博士の学位が与えられます。今までに二名の博士が誕生しました。
学部の卒業生にとって、大学院に進学するのも一つの道でしょう。国語の教員や日本語教員を目指す人にも、大学院で学ぶことは有益だと思います。国語の教員に関していえば、修士課程修了時に中学校及び高等学校の教諭専修免許状が取得できます。