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ドイツ語学科

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2025.12.10 NEW

芸術鑑賞奨励行事

芸術鑑賞奨励行事

ドイツ語学科のみなさんがドイツやヨーロッパの芸術に触れる機会を作るために、映画や舞台、美術展等の鑑賞奨励(無料、あるいは割安で見られる、聞ける!)を学科で行っています。

12月は、新しい「福岡市民ホール」でのコンサートでした。

九州交響楽団の、「ベートーヴェン交響曲第九番(合唱付き)」(チケット代の学生負担はなし)。
2025年12月07日(日) 13:30からの実施で、冨重先生が学生たちをご引率くださいました。

「ドイツ手話を元にした『手歌』」とともに、目でも耳でも味わうことのできるコンサートで、参加された皆さんは普段とは異なる「目で聴く」体験に感動していたようです。

学生代表のコメントは以下の通り。

ベートーヴェンの第九番の歌詞を手話と共に感じることができるのは、中々ない体験でとても充実した時間でした。自分は日本で生まれ育ち、ドイツとは一切交わらない環境で育ったので、第九の歌詞が表現していることは曖昧には分かるけれど、イメージがしにくいという印象を持っていました。しかしコンサートでは歌と手話が共鳴したことで、耳と目で第九を感じることができ、喜びのパワーや自由と希望を持って生きることの大事さをより感じることができました。
 第九の歌詞の “Alle Menschen werden Bruder, Wo dein sanfter Flügel weilt.“という部分は、耳が聞こえない人や聞こえる人、聞こえにくい人が優しく手を取り合い、助け合うという意味にも取れると思います。この間の境界がなくなることを願う No border, No bond, ….の合唱はとても感動しました。」



「クラシックの中でも身近な第九の演奏、歌唱に手話を組み込むという内容は、手話に詳しくない私にとっても手話に触れるきっかけとして興味深く、楽しいイベントでした。手話のワークショップでは第九のドイツ語版手話を体験することができました。ドイツ語の手話は手話を使わない人でも手の動きから意味を推測できる語がいくつかあり、日本の手話だけでなくドイツ語の手話をより知りたいと思う良い機会になりました。」


「会場には聴覚に障害のある方も多く来場しており、ステージでは「ホワイトハンドコーラス」の方たちが、白い手袋を使って歌詞を視覚的に表現していました。私は普段当たり前のように耳で音楽を聴いてます。最初は音のない音楽鑑賞が想像できませんでした。演奏が始まってその考えは覆されました。白い手が作り出す波のような動きや、張り詰めた空気感。それは、耳で聞く音以上に「歓喜」や「苦悩」を雄弁に語っていたからです。色々考えさせられる演奏会でした。」